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夏の「高気密、高断熱住宅」は暑いのか?

2021.08.12
さかの 専務ブログ
お客様からこんな質問をよく受けます。 「高気密高断熱住宅って、夏は暑くないんですか?」 高断熱住宅というと冬暖かいというイメージの方が強いのかもしれません。 基本的に家の中には人が居て、家電製品、照明器具などもあり、 熱を発するものは沢山あります。 一般的に人ひとり100Wの熱を発すると言われていますので、 4人家族だと400W 。 400Wというと単身者用の小型のコタツが発する熱量になりますので、 夏、家の中でコタツむき出しでつけっぱなし状態、 と考えるとかなり暑くなりますよね。 更に窓からは夏のギラギラした太陽の熱が入り込みます。 ここ、出雲市の夏至の日(2021年は6月21日)の 南の太陽高度は78.18度。 太陽高度の高い夏至の日の南側からはそれほど差し込みませんが、 夏本番は7月、8月。 残暑厳しい秋分の日(2021年は9月23日)ともなると 太陽高度はかなり下がっていますので 南側からかなりの太陽熱が入り込みます。 更に容赦なく照り付ける西日も加わり、 太陽からの光、熱に対する対策ができていない高気密、高断熱の家は、 その熱をしっかりとため込み逃がしませんので 夏、暑くなるのは当然です。 気密、断熱だけでなく太陽熱の制御する そもそも家を熱くさせない設計の工夫が必要になります。 「太陽に素直な設計」 が基本と言われるくらい性能と同じように 重要なのが設計です。 ところが、多くの会社は快適な空間を作る上で、 家一軒暖めたり冷やしたりできる冷暖房設備の導入に頼っていて、 これは大手になればなるほどその傾向が強いように感じます。 高価な機械設備にそこそこの断熱気密、 間取りは規格で全国どこで建てても同じ、、、。 機械設備→断熱気密→設計 の順で考えられている家が多いですが、 本来、高性能で省エネな住宅を考える場合はその逆 設計→断熱気密→機械設備 の順で考え家を作っていくものと思います。 設計や施工技術など (常に学び革新を続けていかなくてはいけませんので 当社もまだまだ理想には及びませんが) トータルの建築技術面での工夫と努力が重要だと思います。 建築技術は製品寿命が短い機械とは違い 劣化が少なくエネルギーを使わずに暮らせるための 技術ですのでまずは建築技術上の努力と工夫をし その上で、さらに予算にゆとりがある場合、 より快適な暮らしを求めてプラスαで 機械設備を付けるべきではないでしょうか? 前置きが長くなりましたが、 「夏の高気密、高断熱住宅は暑いのか?」 そんな疑問をお持ちの方に 夏の「高気密、高断熱住宅」を体感していただこうと 先日、予約制の見学会を開催いたしました。 今回の建物は壁の中の充填断熱と壁の外側の付加断熱とで 断熱材の厚さの合計が21㎝にもなるW断熱。 屋根の断熱材の厚さは30㎝。 冬の日射取得のために南側に大きな窓を設け 夏の日射遮蔽は深い軒の出と サッシの外側に取り付ける外付けロールスクリーンで 日射の遮蔽を行いました。 UA 値は0.26w/㎡・K C値は0.3㎠/㎡。 HEAT20のG3グレード。 家の広さは2階建てで延床面積35坪に 吹き抜けが2.25坪ありますので 空間全体としては37.25坪の家になります。 見学会当日、エアコンは2階のホールに設置した10畳用のエアコン1台のみ。 外は33~35℃でしたが、この1台で家中を涼しくすることができました。 お客様は暑い外からいらっしゃるので温度設定は24℃に設定したのですが 家の中にしばらくいると 「少し寒く感じます」 と言うお客様もおられたくらいです。 断熱性が悪いとエアコンで室温を下げても、 外気の影響を受け、床、壁、天井(特に窓)の温度が上がり、 その熱が放射され、体感温度は下がりません。 体感温度が下がらないのでますますエアコンの温度設定を下げ 風量を強くして、、、、 そうするとエアコンの風が不快になって、、、 と悪循環になってしまします。 断熱性能が高いと床、壁、天井が外気の影響を 受けにくくなりますので熱くなりません。 そこから放射される熱が少ないので、 エアコンをガンガンかけなくても涼しい空間になります。 そしてエコ。 更にそのエアコンは2階に設置。 これならエアコンが苦手という方にも、 夏を快適に過ごしていただけます。 どうですか? しっかりと日射の遮蔽を行った 高気密、高断熱の家の夏は快適 という事です。 一般的に夏の建築途中の家の中は当然暑いのですが この家にエアコンを取り付けに来られた業者の方は 「これだけ断熱していると暑さが違いますね。」 と驚かれていました。 皆さんも高気密、高断熱の「北海道基準の家」で 快適で、エコな暮らし、してみませんか?