品質管理について
300項目にも及ぶ監査項目と第三者監査とは
なぜ、品質管理が重要か
住宅は人がもっとも長く使う商品です。
より長く快適に暮らしていくためにはアフターメンテナンスは重要ですが、それ以上に大切なことがあります。
それは新築時の施工、品質管理です。
なぜなら、家の耐久性を左右するのは木材を腐らせないことが一番大切だからです。
耐久性についてはコチラ→
木材が乾燥状態を保ち構造を安定させることなしに、断熱性も、気密性も、耐震性も長持ちさせることはできません。
構造の木材を腐らせないために大切なのは、室内の湿気を壁の中に入れない防湿と、壁の中の余分な湿気を外に出す透湿、透湿し吐き出された湿気が排出する通気層の施工。
そして外からの雨水を入れない防水とその雨水を排出する排水層の施工。
最後に、換気扇やエアコンのスリーブ、電気等の引込みによる壁の貫通孔部分のおける室内側の防湿処理、外壁側の防水処理。
それらが、耐久性を左右するのですが、これらは全て壁の中に隠れて見ることはできません。
車などの機械であればボンネットを開けてエンジンの点検ができます。
場合によっては一部を取り外し、分解することもできますが、住宅の場合は点検と言っても壁をはがして中を確認することは出来ません。
つまり、耐久性を大きく左右する部分の施工は完成後確認ができないので、新築時の施工状態、施工品質がすべてを左右すると言っても過言ではありません。
定期点検で、確認できるのは表面の仕上げのみ、汚れや、割れ、浮き、はがれ、でしかないのです。
施工品質を上げるために必要なこと
1件の住宅をつくるのには30業種100人が携わり、部品の数は10万点にも及ぶと言われています。
多くの業者、職人さんは社員ではありません。
それどころか、その会社の家だけを建てているのではなく、様々な住宅会社の家づくりに携わっているのです。
〇〇ホーム、〇〇ハウス、〇〇建設は、、、と、住宅会社ごとの施工内容の違いを把握して、しっかりと施工ができているのでしょうか?
そもそも、施工の基準自体が明確でない建築会社がほとんど。
住宅の場合、建築基準法によって決められている施工基準は全体のわずか9%程度と言われています。
では何を基に施工の品質をチェックするのでしょうか?
私たちハルサでは「標準施工手順書」を作成し、自社の施工基準を明確にし、その施工の「監査項目」を明確にしました。
そうすることによって現場で作業にあたる業者さん、職人さんたちが何を守ったらいいのか、どこまでしないといけないのかが分かります。
基準が明確でないと施工品質は、作業をする職人や現場監督の経験とさじ加減で左右されてしまいます。
施工品質を確認するには、施工の進行状況に合わせた品質管理が必要であり、タイミングを逃すと壁でふさがれてしまい、確認することができなくなります。
後から点検や確認ができないものであり、その施工精度が住まいの快適さ、耐久性、耐震性など、を大きく左右します。
施工を確かなものにするためには、施工基準を明確にすることと、現場進捗に合わせたチェックが必要不可欠であると私たちハルサは考えます。
第三者機関による外部監査
更に施工品質を高め、確かなものにするため、第三者機関による外部監査の実施をしております。
着工から完成まで全10回、監査項目は約300項目にも及びます。
「標準施工手順書」をつくり「監査項目」を明確にし「自社による施工監査」に加え更に「第三者による外部監査」を実施する。
製造業であれば当たり前にできている品質の管理です。
施工図の精度を上げる
現場での作業をスムーズに行うためには欠かせないのは施工図の精度です。
幅や、奥行き、高さ、などは正確に記載されているか?
平面図、立面図、部屋の4方向の壁面を示す展開図、照明やスイッチ、コンセントの位置を表した電気図などの整合性は取れているか?
いくらお客様と密に打合せをしても、その内容が図面に落とし込まれていなければ、現場に反映できません。
図面の精度を上げることは、現場を混乱なくスムーズに運営し、施工品質を上げるためには欠かせない建築会社の重要な取り組みの一つです。
図面の上で組み立てる
車や家電製品などは売りに出される前に試作品をつくり様々な検証が行われ、改善の後に完成品としてつくられていきます。
住宅の場合はどうでしょうか?
一度試作品として建ててみる、という事は出来ません。
しかも、車や家電製品のように作り手側だけの判断で自由に決められることはほとんどなく、建築する敷地の広さや形などの条件、お客様のご要望はまちまち、一つとして同じものがないのが住宅です。
それら様々な条件をクリアし、建築をスムーズに行うためにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、図面上で建築をすると言う事。
使い勝手はこれでいいのか?
納まりはこれでいいのか?
施工上問題になることはないか?
特に注意が必要な個所はどこか?
様々な図面を携わるスタッフ全員が参加する「設計審査会議」にて検証をしてきます。
ここで、浮かび上がった問題点を基にさらにお客様と打ち合わせを進めていきます。
更にその図面を今度は、大工、電気、水道などの主要業者も交えた検証を行い、最後に図面の表記に間違いはないか、文字が重なって見にくい箇所はないか、分かりやすいか、などの最終チェックをして施工図が出来上がります。
試作品をつくることができない、一つとして同じものがない住宅だからこそ図面の検証はとても重要な作業です。
製本図面の重要性
最後に重要なのが、その図面を製本して1冊にまとめること。
いくら精度の高い図面を作成しても、バラバラでは管理ができません。
1冊の図面としてまとまっているからこそ、それを頼りに施工ができるのです。
ただし、この製本図面は、だらだらと打合せをしていては完成しません。
「つくりながらゆっくりと考えましょう」というのでは、図面の検証もできず、ぶっつけ本場の家づくりになってしまいます。
精度の高い家づくりのためには、その重要性をご理解いただき、スケジュールに合わせ決めていただくよう、お客様にもご協力をお願いしております。
チームで家づくりに臨む
住宅は一つとして同じものはありません。
建築する敷地の条件、家族構成、暮らし方、ご要望、かかえている問題点、ご予算は、お客様によって様々です。
お客様にとって初めての家づくりは、実は私たちハルサにとっても、そのお客様との初めての家づくりとなります。
その初めての家づくりをより良いものにするために、打ち合わせをした結果を施工図としてしっかりと製本し、標準施工手順書を整え、監査項目に基づき現場監査をし、更には第三者の外部監査を受けるなど、様々な施策を講じています。
営業、設計、インテリアコーディネーター、工務、の実務を担うスタッフとそれを支える総務部、全スタッフ一丸となって家づくり臨んでいますが、最も大切なのは、お客様と私たちの関係が、発注者と受注者という関係ではなく、家づくりを共に成功へと導くための一つのチームとして結束することだと思います。
様々な対策を講じていても、家づくりは多種多様な問題が発生します。
それらを解決するにはお客様のご協力無くしてはできません。
問題なく進むことが一番望ましいことではありますが、家づくりで一番危険なことは問題を問題として捉えることができず、見過ごしてしまう事。
だから、あえて言うならば問題はあって当然。
様々な問題を共有しお客様と共に創るその先に、高い品質と満足の実現があると私たちハルサは考えます。