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「失敗しないための照明選び:注文住宅に適した照明の種類とその特徴」

2025.04.07
さかの 専務ブログ

「注文住宅の照明はどうやって選ぶのがいいんだろう……」とお悩みではありませんか?

家づくりを検討する際、壁や床の色、インテリアはしっかりこだわっても照明に関しては後回しにしてしまいがちです。

しかし、照明は空間の雰囲気や快適さを左右する大切な要素であり、選び方次第で暮らしの質が大きく変わります。

たとえば、昼間なのに明るさが足りないと感じたり、夜は眩しすぎてリラックスできなかったり。
こうした失敗を防ぐためには照明の種類や役割、部屋ごとの適切な選び方を知っておくことが欠かせません。
この記事では注文住宅の照明の種類やその特徴、選び方のポイントについて詳しく解説していきます。

最後まで読んでいただくことで照明の種類と特徴がわかり、暮らしに合った照明選びのヒントが得られるはずです。

それでは早速、照明に関する基本知識から見ていきましょう。

1. 照明の役割と基本知識

照明は空間に明るさをもたらすだけでなく、その場の雰囲気や機能性を支える役割を果たしています。

その場所に合った照明を選ぶことで、日中の明るい光から夕方の柔らかい光、夜の落ち着いた光まで、時間や状況に合わせた快適な空間をつくることができます。

ここでは照明がどのように生活空間を変化させ、どのような役割を持つのかについて見ていきましょう。

照明が空間にもたらす3つの役割

・空間全体の明るさを確保する

一般的に「メイン照明」と呼ばれるものが部屋全体に十分な光を届け、暗さを解消する役割を担います。
メイン照明が適切に配置されていないと日常生活での視認性が悪くなり、活動しづらい環境になります。

・空間にアクセントを加える

部屋に「陰影」や「立体感」を生み出すための照明も重要です。

間接照明やスポットライトを使うと部屋の奥行きやインテリアのデザインが引き立ち、部屋の雰囲気に深みが出ます。
リビングや寝室などのリラックスするための空間には特に効果的です。

・生活の利便性を向上させる

キッチンや洗面所などの特定の作業を行う場所では作業をしやすくする「タスク照明」が必要です。

例えば、調理中の手元をしっかりと照らすキッチンライトや、メイクをしやすくする洗面所のミラーライトなどは暮らしやすさを大きく向上させます。


注文住宅における照明選び

注文住宅では、住む人のライフスタイルや好みに合わせた空間設計が必要です。

照明ももちろん空間設計に欠かせない要素の一つで、インテリアや生活の動線に合った光の配置が求められます。

また、家全体を通して同じような明るさではなく部屋ごとに異なる照明計画を立てることで、より暮らしやすくメリハリのある空間が作り出せます。

照明計画をしっかりと行うことで日中は日差しと調和した明るさを、夜は落ち着いた雰囲気を演出できるようになります。
また、将来的な電気代削減や家全体の雰囲気作りにも大いに役立ちます。

次の章では具体的な照明の種類とそれぞれの特徴について見ていきましょう。

2. 照明の種類

照明はその目的や配置場所によっていくつかの種類に分類され、それぞれが異なる役割を果たします。

照明の種類ごとに特徴を理解しておくことで、空間の雰囲気を自在にコントロールし、用途に合った快適な空間を演出することができます。

ここでは、主に「メイン照明(全体照明)」「サブ照明(間接照明)」「タスク照明(補助照明)」「アクセント照明」の4つに分類し、それぞれの特徴と活用ポイントをご紹介します。

メイン照明(全体照明)

特徴と役割
メイン照明は、部屋全体に光を届ける「全体照明」としての役割を持ち、日常的な活動を行うために必要な基本的な明るさを確保します。

一般的な住宅のリビングや寝室などでは、天井に設置するシーリングライトやダウンライトがメイン照明として活用されることが多いです。

均一に明るさを行き渡らせることで、部屋のどこにいても不便を感じない快適な環境を生み出します。

代表的なメイン照明

シーリングライト

まずは照明器具の代表格であるのがこのシーリングライトと呼ばれる照明です。

名前にもある「シーリング」は「天井」という意味がある通り、天井に直接取付ける照明です。
大きくて平たいタイプのシーリングライトは部屋全体を均一に照らしてくれるのでメインの照明として

使われることが多いですが小型で省スペースで使用できるものやシーリングファンと一体化したものなど

様々なデザインのものがあります。

〔主な使用場所〕リビング、子ども部屋、和室

 

ダウンライト

天井に埋め込んで設置するタイプの照明です。

見た目は天井がフラットになるので空間をスッキリとされることができます。

ただし、照らすことができる範囲が限られているので複数のライトを一定間隔で配置したり、

インテリアなど部屋の一部を照らすような補助的な使い方をされることが多いです。

ダウンライトにはライトの角度を変えられる「ユニバーサルダウンライト」や

光を効率よく拡散できる反射鏡のついた「コーン型」、

反射板に凹凸がついていて光を屈折させることで眩しさを抑える効果がある「バッフルタイプ」などの種類があります。

〔主な使用場所〕キッチン、リビング、ダイニング、廊下、トイレ

ペンダントライト

ライトの部分をチェーンやコードなどで天井や梁などから

吊り下げるタイプの照明です。

メインの照明としてダイニングなどで使われることも

多いですが、デザイン性も高いので空間のアクセントなど

インテリアの一部として使われることも多いです。

他にも吹抜けに設置して縦方向の空間の広がりを演出する

使い方などもされます。

〔主な使用場所〕ダイニング、和室、子ども部屋、吹抜け

サブ照明(間接照明)

特徴と役割

サブ照明(間接照明)は、壁や天井に光を反射させて柔らかい明かりを作り、空間に奥行きや立体感をもたらします。

リラックスしたい場所や、インテリアとしての効果を求める場面においても活躍します。

間接照明を使用することで、部屋に陰影が生まれ、昼間とは違った雰囲気を演出できます。

代表的なサブ照明

ブラケットライト

壁や柱などに取付けるタイプの照明です。

室内では空間のアクセントとして使われることが多く、

器具の外側を照らすタイプのものの他にも

天井や壁を照らす間接照明タイプのものもあり

デザインも幅広いのでインテリアやお部屋の雰囲気に

合わせて選ぶことができます。

〔主な使用場所〕リビング、廊下、納戸、玄関、階段

 

エクステリアライト

こちらも「エクステリア」という名前の通り、家の外で使うための照明です。

家の外壁や庭などに設置されることを想定しているので、防水性や耐候性を持ち合わせています。

また、センサー付きのものは防犯上の効果を見込んで使用されることもあります。

〔主な使用場所〕玄関ポーチ、庭、バルコニー、門扉、勝手口

タスク照明(補助照明)

特徴と役割

タスク照明は、調理や勉強などの作業をサポートするために特化した「補助照明」です。
デスク周りやキッチン、洗面所など、手元や作業エリアにしっかりと光を届けるため、影ができにくいよう設置されることが多いです。

代表的なタスク照明

デスクランプ:作業スペースに設置し、手元を集中的に照らすためのランプです。角度調整ができるタイプが便利です。

カウンターライト:キッチンカウンターや洗面台に設置し、調理やメイクなどの作業をサポートします。限られた空間に、最適かつ使用者の目線に合った配置が可能です。

アクセント照明

特徴と役割

アクセント照明は、インテリアや壁面アート、植物などを照らして目を引かせるための照明です。
デザインの一部としてインテリアを引き立てることが目的で、空間にオリジナリティを加えることができます。

代表的なアクセント照明

スポットライト:特定のオブジェクトを強調するために用いられ、部屋のアートや装飾品などを際立たせる効果があります。

ペンダントライト:吊り下げタイプのライトで、ダイニングテーブルの上などの演出に使用します。デザイン性が高く、インテリアのポイントとして活用されます。

3. 部屋ごとのおすすめ照明

各部屋の用途や雰囲気に合わせて照明を選ぶことで、住まい全体に統一感が生まれ、快適な空間を作ることができます。

ここでは、リビング、ダイニング、キッチン、寝室、玄関・廊下といった空間ごとに最適な照明の種類や配置のポイントを詳しく見ていきましょう。

リビング:くつろぎと暮らしのさまざまな場面を支える照明

リビングは家族が集まり、さまざまな用途で使用される空間です。リラックスしたいときもあれば読書や作業をすることもあるため、シーンに応じて明るさを調整できる照明があると便利です。

おすすめの照明

メイン照明(シーリングライト・ダウンライト):部屋全体を均一に照らすことで、広がりを感じさせます。

間接照明(フロアライト・ブラケットライト):壁や天井に柔らかい光を反射させて、温かみのある空間に。リラックス時にはメイン照明を落とし、間接照明を使うとより落ち着いた雰囲気が作れます。

アクセント照明(スポットライト):アートや飾り棚に光を当ててインテリアを際立たせ、リビング全体のデザイン性を引き立てます。

ダイニング:食事のひとときを引き立てる照明

ダイニングは家族で食事を楽しむ場所で、食材や料理を美味しそうに見せることが照明のポイントになります。

温かみのある光が料理の魅力を引き立て、心地よい空間を演出します。

おすすめの照明

ペンダントライト:ダイニングテーブル上に吊るして手元を集中的に照らすことで食卓に温かさをもたらします。テーブル全体を照らす大きめのシェードやデザイン性のあるペンダントライトが人気です。

間接照明:壁や天井を優しく照らす間接照明を補助的に使うことで、食事中も柔らかな光に包まれたリラックス空間を演出できます。

キッチン:実用性と手元の明るさを重視した照明

キッチンは調理や片付けなど作業が多いため、手元をしっかりと照らすことが必要になるでしょう。

料理をしやすく、安全に配慮した配置が求められます。

おすすめの照明

メイン照明(シーリングライト):キッチン全体を明るくし、視界を確保するための照明です。

カウンターライト:調理台やシンク上のキャビネット下に設置し、手元を直接照らす補助照明です。調理中も影ができにくく、包丁を使う場面でも安心です。

スポットライト:オープンキッチンでは、ダイニング側から見てもおしゃれに映えるスポットライトを取り入れると、デザイン性を保ちつつ実用性も高まります。

寝室:落ち着いた空間をつくりだす照明

寝室は眠りのための空間であり、落ち着きや安らぎを感じられる照明が求められます。

まぶしさを抑えた柔らかな光で心地よい空間を目指しましょう。

おすすめの照明

メイン照明(ダウンライト・シーリングライト):部屋全体を明るくするためのメイン照明ですが、リラックスできることを重視し、控えめな光量に調整できるものが適しています。

ベッドサイドランプ:夜間のリラックスタイムや読書用として、手元を柔らかく照らすランプ。読書用には角度調整できるデスクランプもおすすめです。

フロアライトやブラケットライト:間接照明として壁に穏やかに光を反射させることで、寝室全体が心安らぐ空間になります。

玄関・廊下:第一印象を大切にした照明

玄関や廊下は家の顔とも言える場所であり、来客の第一印象を左右する大事な空間です。明るすぎず暗すぎず、適度な光で照らすのが理想的です。

おすすめの照明

メイン照明(シーリングライト):玄関全体を明るくしつつもまぶしさを抑えたデザインが適しています。

ブラケットライトやフットライト:足元や壁際を照らすことで柔らかい光でおもてなし感を演出し、安全性も高まります。

アクセント照明:アートや植物などにスポットライトを当てて空間を演出することで玄関の印象が一層引き立ちます。

4. 照明の選び方のポイント

照明選びでは、部屋の用途や雰囲気に合わせた「明るさ」「色温度」「省エネ性」「デザイン性」の4つのポイントを意識することが大切です。

これらを考慮することで部屋ごとに異なる雰囲気や機能を叶え、快適で心地よい空間を作り上げることができます。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

1. 明るさ:部屋の用途に応じた適切な明るさを

明るさの選択には部屋の広さや用途に合わせた「照度」が重要です。

リビングやキッチンなどの活動が多い場所はやや明るめに、寝室やダイニングは落ち着けるように柔らかい光にすることで、部屋の目的に合った快適な明るさを確保できます。

照度の目安

リビング:1000~1500ルーメン(明るめで家族全員が使いやすい)
ダイニング:700~1000ルーメン(テーブル全体を照らす程度)
寝室:300~500ルーメン(リラックスできる控えめな明るさ)
キッチン:1500~2000ルーメン(作業効率を高める明るさ)

2. 色温度:空間の雰囲気を左右する光の色

色温度は照明の光の色を示す指標で昼白色や電球色などがあります。

色温度によって空間の雰囲気が変わり、昼白色のようなクールな光は集中力を高め、電球色のような温かい光はリラックス感を生み出します。生活のシーンに合わせて色温度を選ぶとより快適な環境になります。

色温度の目安

昼白色(5000K前後):キッチンや書斎など、明るく集中力を高めたい空間に最適
電球色(2700K前後):リビングやダイニング、寝室などのリラックス空間にぴったり
調色機能:調色機能付きの照明を使えば、時間帯や季節に応じて色温度を変えられ、柔軟な空間演出が可能です。

3. 省エネ性:エコで効率的な照明選び

エコで持続可能な暮らしのためには、照明の省エネ性も重視すべきポイントです。LED照明は寿命が長く、電気代も節約できるため長期的なメリットがあります。

また、スマート照明を使うとタイマー機能や調光調色の遠隔操作も可能です。

省エネ性のポイント

LED照明:白熱電球の約10分の1の電力で長期間使用可能
スマート照明:スマホでの操作が可能なため、不要な照明をつけっぱなしにしないなどの管理が容易
センサーライト:人がいるときだけ点灯するセンサー付き照明で、特に廊下や玄関の省エネ効果が高い

4. デザイン性:空間に溶け込む照明選び

照明は部屋全体のインテリアと調和するデザインを選ぶことで、空間の一体感が生まれます。

シンプルでミニマルなデザインはどの空間にも合わせやすく、個性的なデザインはアクセントとして空間に彩りを加えてくれます。

デザイン性のポイント

シンプルデザイン:どんなインテリアにも馴染むデザインで、無駄のない洗練された印象に

アクセントデザイン:ペンダントライトやフロアランプで視線を引くデザイン性の高いものを選ぶとインテリアの印象が際立ちます

これら4つのポイントを参考にしながら、部屋ごとの用途や求める雰囲気に合った照明を選ぶことで、家全体を心地よく過ごしやすい空間にすることができます。

5. 注文住宅における照明計画の立て方

注文住宅での照明計画は暮らしの動線や時間帯に応じた光の配置を考えることで、日々の暮らしやすさを大きく向上させます。

照明は生活の利便性や心地よさに直結する要素です。ここでは、「生活動線を考えた配置」「調光・調色機能の活用」「配線計画のポイント」について、注文住宅ならではの照明計画のコツをご紹介します。

1. 生活動線を考えた配置

まず、生活動線を意識して照明を配置することでどこにいても必要な明るさを確保でき、移動もスムーズになります。
たとえば、玄関からリビングまでの廊下に適切な照明があると夜間でも安心して移動できる空間が作れます。

生活動線を考慮したポイント

玄関・廊下:センサーライトを設置することで、夜間や両手がふさがっているときにも自動で照明が点灯すると便利ですね。

リビング・ダイニング:普段の生活はもちろん、来客時や家族の団らんにも対応できるよう、調光機能付きのメイン照明や間接照明を取り入れると臨機応変に空間を使い分けられます。

2. 調光・調色機能の活用

調光機能とは明るさの調整ができる機能で、調色機能は光の色温度を変えられる機能です。昼間は自然光に近い明るい色温度、夜はリラックスできる電球色など、時間帯や気分に合わせて変化させることで、部屋の雰囲気を心地よく演出することができます。

最近ではスマホで操作できるスマート調光照明も普及しており、リモート操作も活用できるとさらに便利ですね。

調光・調色機能の活用ポイント

昼間の作業には明るく、夜には穏やかに:書斎やリビングではその時どきによって明るさを自在に変えられると理想的です。

季節や気分に合わせた色温度:夏場は涼しげな白色光、冬場には温かみのある電球色など、季節や気分に合わせて色温度を変化させることで快適な住環境を保つことができます。

3. 配線計画のポイント

配線計画は注文住宅を設計する段階でしっかりと考えておくことで、後から配線が見えることなく、スッキリとした見た目のインテリアを保てます。

特に壁や天井に埋め込むダウンライトやブラケットライトを使う場合は、早めの配線計画が重要です。

配線計画のポイント

隠すべき配線を見えないように工夫する:リビングのテレビ周りやキッチンカウンターの下に配線を隠すと、インテリアの統一感が生まれます。

後から増設できるように電源を多めに確保:コンセントやスイッチ類は将来の増設も考えて多めに設けておくと便利です。

このように、生活動線、光の調整機能、配線計画をしっかりと事前に検討することで、自分の暮らしに合った使い勝手の良い照明計画を立てられるでしょう。

6. まとめ

照明は注文住宅の空間づくりにおいて欠かせない要素の一つです。適切な照明を選び、配置を工夫することで日々の暮らしがより快適で豊かなものになります。

今回の記事では、照明の基本知識、用途に合わせた照明の種類、部屋ごとのおすすめ照明、選び方のポイント、そして実際の照明計画の立て方について詳しく解説しました。

生活の中心であるリビングには調光機能や間接照明を、ダイニングには温かみのあるペンダントライトを、そしてキッチンや寝室、玄関にはそれぞれの用途に合った明るさやデザインの照明を取り入れることで、各部屋がそれぞれの目的に最適化された空間となります。

注文住宅ならではの自由度を生かして、自分や家族のライフスタイルにぴったりの照明プランを計画してみましょう。

照明ひとつで家の印象や居心地が大きく変わることを実感できるはずです。

弊社では、注文住宅に関するさまざまな情報を提供しており、家づくりに役立つカタログもご用意しています。

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